Okta Japan株式会社(本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 渡邉 崇)は、日本国内の情報システム・セキュリティ導入担当者3,000名を対象に「アイデンティティ管理の認知度調査」を実施しました。
調査結果のポイント
ポイント1:アイデンティティ管理を理解しているのは約2割
「アイデンティティ管理(ID管理)/IAM」という言葉をどの程度知っているかを尋ねたところ、「どんな内容かを理解している」と回答した割合は、全体で19.6%でした。その他のアイデンティティ管理に関連するキーワードについても、「どんな内容かを理解している」と回答した割合が、「IDaaS」で15.5%、「顧客IDとアクセス管理(CIAM)」で18.6%、「特権ID管理(PAM)」で16.3%、「アイデンティティガバナンスと管理(IGA)で13.7%であり、アイデンティティ管理を理解している情報システム・セキュリティ導入担当者が2割に満たないことが分かりました。
ポイント2:アイデンティティ管理を理解している割合は、企業規模大の担当者の方が比較的に高い
「アイデンティティ管理(ID管理)/IAM」という言葉を知っている回答者を、企業規模別に見ると、企業規模大(300人以上)の情報システム・セキュリティ導入担当者の割合が25.8%に対し、企業規模小(300人未満)の割合が7.4%でした。この傾向は他のキーワードにもあてはまります。
ポイント3:アイデンティティ管理やユーザー認証基盤のサービスを導入している割合は約4割
アイデンティティ管理(ID管理)やユーザー認証基盤のサービスを導入しているか尋ねたところ、全体で37.1%が導入していると回答しました。企業規模別で見ると、企業規模大と企業規模小の差が大きく、企業規模大(300人以上)で導入している割合が50.3%に対し、企業規模小(300人未満)の割合が10.7%でした。
ポイント4:アイデンティティ管理やユーザー認証基盤のサービスの導入を検討している割合は約3割
アイデンティティ管理(ID管理)やユーザー認証基盤のサービスの導入を検討しているか尋ねたところ、全体で31.6%が導入を検討していると回答しました。こちらも企業規模大と企業規模小の差が大きく、企業規模大(300人以上)で導入を検討している割合が41.1%に対し、企業規模小(300人未満)の割合が12.5%でした。
調査結果のまとめ
今回の調査結果から、アイデンティティ管理を理解している割合が日本国内でまだ低いことが想定されます。また、理解度の割合において、企業規模別での差が大きいことも判明しました。企業規模大の方がアイデンティティ管理の理解度が企業規模小より高い理由は、現場で直面している課題にあると思われます。Oktaが毎年グローバルのお客様を対象に実施している調査(注1)によると、企業が仕事のために導入するアプリケーションの1社あたりの平均数は89個であり、従業員2,000人以上の大企業では1社あたり平均187個のアプリケーションを導入しています。企業規模が大きくなればなるほど、毎年増加し続けているアプリケーションを一元管理し、従業員が安全かつ便利に活用できるようにするには、アイデンティティ管理によるシングルサインオンや多要素認証、アプリケーションの割当や解除の自動化などが不可欠となります。
また、顧客IDとアクセス管理(CIAM)のニーズも広がりつつあります。企業は顧客向けにオンラインでサービスを展開するのにあたって、顧客のログイン体験を快適にすると同時に、安全なアクセスを提供する必要があります。さらに複数のブランドを展開する企業は、統一された顧客IDを活用することで各ブランドのサービスをまたいだ顧客プロファイルを把握し、パーソナライズされた顧客体験を提供することができます。
企業規模大のみならず、企業規模小であっても、こうしたアイデンティティ管理は今後重要になっていきますので、アイデンティティ管理の理解をさらに進めていくことが求められます。
調査方法について
調査方法:インターネット調査
調査対象:情報システム・セキュリティ導入担当者(20〜69歳の男女)
サンプルサイズ:3,000人(企業規模300人以上が2,000人、企業規模300人未満が1,000人)
調査実施期間:2022年5月から6月
調査機関:楽天インサイト株式会社
注1:「Businesses at Work 2022」