「SMBs at Work 2024」レポート:SMBスタックを構成するアプリは?
このブログはこちらの英語ブログ(2024年8月22日公開)の参考和訳です。
Oktaの「SMBs at Work 2024」レポートでは、変化の激しい現在のアプリケーション環境を中小企業(SMB)がどのように舵取りしているかを探っています。1万8,000社以上の匿名データに基づき、Okta Integration Networkでの数千ものアプリケーションをどのように採用しているかを分析して、成長中の企業がどのようにアプリケーションを活用してトレンドを作り出しているかを詳しく解説しています。
SMBは、大企業よりも速いペースでアプリケーションを採用しています。しかし、ランダムに採用しているわけではなく、すべてのアプリカテゴリが成長したわけではありません。
このレポートに関する最初のブログでは、全体的なトレンドを取り上げました。2つ目の記事では、SMBが変化し続けるセキュリティ環境にどのように適応し、成長しているのかを掘り下げました。
今回は、SMBがどのようなアプリをより速いペース採用しているのか、そしてその理由について見ていきます。
SMBの投資対象とその規模
皆が限られたリソースで多くの成果を求められる中、次のような疑問が浮かぶかもしれません。「今のテクノロジーは十分か?多すぎるのか?競争力を維持するためにどこに投資すべきか?」
データを見てみると、SMBにとって何が効果を上げているのかが少しずつ見えてきます。
SMBは平均で58のアプリを導入
全体として(規模にかかわらず)、企業は平均して93のアプリを導入していますが、SMBは一般的にこの平均を下回っています。アプリの導入はすべての業界で前年比で大幅に増加していますが、SMBが導入するアプリの数は、大企業に比べて平均30〜60%少なくなっています。
従業員50人以下の最も小規模の企業での導入アプリ数はさらに少なく、約36個です。積極的な拡大が鍵となる規模の小さい企業は、セキュリティツール(ユニークユーザー数で前年比61%増)、電子署名アプリ(同47%増)、旅行(同27%増)に注力しています。
従業員50人以下の最も小規模の企業での導入アプリ数はさらに少なく、約36個です。積極的な拡大が鍵となる規模の小さい企業は、セキュリティツール(ユニークユーザー数で前年比61%増)、電子署名アプリ(同47%増)、旅行(同27%増)に注力しています。
SMB導入アプリの上位はデザイン、法務、旅行
顧客数で上位に入る5つのカテゴリを見ると、SMBが中核的な機能に注力していることが明らかです。つまり、すでに効果が証明されている分野に投資や再投資を行っています。たとえば、Canva、Figma、Adobe Creative Cloudといったデザインソフトや、 LegalZoom、DocuSign、Rocket Lawyerといった法務アプリです。また、旅行や事務用品も人気の成長カテゴリであり、コロナ後の出張や事務用品の再調達に力を入れていることがうかがえます。
ユニークユーザー数と顧客数によるカテゴリの成長
最も利用されているアプリは?
ビジネスの成長に役立つアプリはあるのでしょうか。ほかのSMBはどのようなアプリを役立てているのでしょうか。
SMBが導入している主要アプリは、驚くようなものではないでしょう。Microsoft Office 365、Google Workspace、AWSは、職場でほとんどの人に馴染みのある定番のアプリであり、規模を問わず企業全体で見ても上位を占めています。
SMBは法務とセキュリティを特に重視
今年の最も成長したツールのうち、コンプライアンス/セキュリティ分野が半数を占めています。SMBは、基盤となるビジネスアプリに加えて、法務ツールも全体市場(35%)よりはるかに高いペース(51%)で採用しています。また、SlackやBoxなどのコラボレーションアプリも、全体と比較してSMBでの利用率が高くなっています。
従業員50人以下の小規模企業は、今年は特にデザイン、セキュリティ、旅行を重視しました。また、中規模企業と同様に、コンプライアンス/セキュリティツールを活用し、シングルサインオンやVPN/ファイアウォールのような機能や自動化を駆使したことも、競争の一歩先を行く上で役立っています。
SMBは成長に合わせて適応
興味深いことに、規模の変化に伴って人気のあるアプリも変化し、以前は必要なかった新機能が成長とともに導入されることもデータに示されています。
たとえば、データコンプライアンスは今年最も注目されるアプリカテゴリの1つとなっています。従業員400人を超えるSMBではDrataが最も利用されています。旅行カテゴリでは、従業員50人以下の企業では、主にTravelPerkが利用されている一方、従業員51人以上の企業ではNavanが好まれています。
同様の好みの変化は、財務、求人、メール、デザインソフトウェアなど、他のカテゴリでも(それぞれに異なる段階で)発生します。
最も急成長しているソフトウェアや革新的なソフトウェアは?
SMBは、最も人気のあるカテゴリ以外にも、いくつかのアプリを急速に導入しました。営業/マーケティングアプリのZoomInfoは前年比109%増、経費管理ツールのRampは前年比97%増となっています。
SMBでの導入が最も急速に拡大しているアプリ(一部抜粋)の前年比成長率
トップ50の人気アプリを見てみると、CanvaがSMBでの急成長アプリとして際立っており、顧客数で76%、ユニークユーザーで171%の成長を記録しています。
開発者向けツールにも注目すると、Grafanaが前年比64%増で開発ツールカテゴリ内で最も成長しているアプリです。この他の大きな成長を見せたアプリには、分析アプリで最も成長したHeap(同56%増)と、プロジェクト管理アプリで最も成長したAirtable(同34%増)が含まれます。
SMBの動向から得られる洞察
データを分析し、トレンドやパターンを俯瞰的に把握することで、多くの有益な洞察が得られます。組織は依然として限られたリソースで最大限の成果を上げようと努めていますが、同時に「ベストオブブリード」や人気のアプリを導入し、現代のデータドリブンな経済で競争力を維持しようとしています。
では、SMBのアプリ利用状況から、ほかにどのようなことを学び、自らの状況に照らし合わせて考えを深めることができるのでしょうか。
- SMBは、大企業よりもアプリ利用数が少ない:社内でどのくらいの数のアプリを導入していますか。ビジネスを推進し、目標を支援し、成長を確保するアプリを使用しているか確認しましょう。
- 法務テクノロジーが最も速いペースで導入された:法務テクノロジーの導入が自社のメリットになるか検討してみましょう。
- すべてのアプリカテゴリが成長したわけではない:ビジネスの成長に伴い、リモートワークからオフィス勤務へ戻る動きなどの変化が技術スタックに影響を与えることがあります。アカウントの無効化を確実に実行することも重要であり、ライフサイクル管理の自動化が役立ちます。
- SMBは必ずしも大企業と同じアプリを使用しているわけではない:アプリの利便性が時間とともに変わることもあります。現在、どのようなアプリが自社に役立つのか検討してみましょう。
- ビジネスの成長に伴い、アプリのニーズも変化する:ソフトウェアへの投資を行う際には、成長計画やロードマップを考慮しましょう。変化を支えるテクノロジーを積極的に取り入れることが重要です。
- SMBはその規模ゆえに、無駄が少なく、機敏で、革新的なソフトウェアを試すことに積極的:小規模ゆえのメリットを活かし、ソフトウェアの選択で競争優位性を見つけてください。
詳細情報:
以上の内容は、原文(英語)の参考和訳であり、原文と内容に差異がある場合は、原文が優先されます。