Schuberg Philis社、Okta Workflowsでエンジニアリング時間を6,000時間以上短縮
このブログはこちらの英語ブログ(2024年2月27日公開)の翻訳、及川大樹によるレビューです。
テクノロジーは素晴らしいものです。しかし、情報に精通した有能な人間の手が運用のあり方を導き、対応する領域を広げていくのでなければ何の意味もありません。サーバーとアプリは無限のリソースですが、専門性を備えたプロフェッショナルと彼らの時間はどうでしょうか?それほど無限ではありません。オランダのミッションクリティカルなIT企業、Schuberg Philis社は、このジレンマを十二分に理解しています。それが故に、同社はそういったプロフェッショナルを主導的な立場に置いているのです。
多くの組織がこれまで学んできたように、その秘訣は、エンジニアに時間、自由、ゆとりを与え、自社であろうとサードパーティクライアントであろうと、真のビジネス価値を提供する問題に集中できるようにすることです。そして、できあいのツールキットではなく、可能な限り最高のツールキットをエンジニアに提供することです。よりスマートに働き、常にビジネス価値を提供することに集中するSchuberg Philis社にとって、これを達成する最も効果的な方法のひとつは、最新のアイデンティティテクノロジーを巧みに利用し、ビジネス特有のニーズに対応するカスタムオートメーションの数々を組み合わせることです。
「型破りな考え方はオランダ人気質」
イノベーションとなるとオランダは期待以上の成果を出す国だと、Schuberg Philis社、ファンクショナルビジネスアナリストのファルド・ベレンデ(Fardo Berende)氏は説明します。
オランダは、Wi-Fi、カセットテープ、ブルーレイの発祥の地です。国土のおよそ20%が海の埋め立て地であり、1,800万人の住民に重要な生活空間を提供しています。このような問題解決の才能は、必要性と機会を通じて築き上げられ、今日に至っています。
そして、それはSchuberg Philis社にも当てはまります。IT企業としては最大手とは言い難く、従業員数はわずか450人です。しかし、物流、医療、エネルギー、銀行など、オランダ経済の最も重要なセクターのビジネスをサポートしています。企業として大きな責任を背負ってはいるものの、それを担う人数は多くありません。
そのため、よりスマートに働き、なおかつビジネス価値を提供する方法を見つける必要がありました。そこで、Okta Workforce Identity CloudとOkta Workflowsの登場です。最初のタスクは、アイデンティティ関連の自動化の実行方法を合理化し、統合し、調和させることでした。
アイデンティティの自動化を理解する
Okta Workforce Identity Cloudを導入する前、Schuberg Philis社は、さまざまなプログラミング言語で記述されたカスタムメイドのスクリプトを通じて、アイデンティティの自動化を行っていました。どの要件に対しても、RubyまたはPerlスクリプトがありました。あるいは、BashスクリプトやGoアプリケーションもあったかもしれません。Schuberg Philis社のサービス運用マネージャー、ティム・ヴァン・ウェグベルグ(Tim van Wegberg) 氏は、この事実をメンテナンスの悪夢だったと説明しています。
「(このアプローチは)メンテナンスが難しく、開発者に大きく依存しており、エラーが発生しやすいものでした。そこで、私たちは代替案を探し始めました。検討したローコードとノーコードの代替手段の中から、Okta Workflowsを選びました。」とヴァン・ウェグベルグ氏は語ります。
Schuberg Philis社にとって、Okta Workflowsの魅力は、既存のアイデンティティの自動化を、一貫性がありあまり労働力がかからない、1つのフレームワークに統合できるということだけではありませんでした。Okta Workflowsが予期せぬユースケースにも対応できる柔軟性を備えていたことも、選択した理由の一つでした。
「Okta Workflows Connector Builderは、将来どんなユースケースにも対応できるという確信を与えてくれました」とヴァン・ウェグベルグ氏は言います。「使用したいアプリの大半は、検討したどのソリューションにも事前構築済みのコネクターはありませんでした。この『柔軟性』があるかどうかは私たちにとって特に重要でした。」
Schuberg Philis社は、2023 年 1 月にOkta Workflowsの導入を開始しました。3か月後、同社は、数えきれないほどの自社内統合を廃止しました。嬉しいことに、この移行は迅速に完了し、開発者の時間を節約しながら、高度に規制された顧客ベースのコンプライアンスニーズの対応に伴う負担を軽減しました
「Okta Workflows Connector Builderは、将来どんなユースケースにも対応できるという確信を与えてくれました。使用したいアプリの大半は、検討したどのソリューションにも事前構築済みのコネクターはありませんでした。この『柔軟性』があるかどうかは私たちにとって特に重要でした。」
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ティム・ヴァン・ウェグベルグ(Tim van Wegberg) 、Schuberg Philis社のサービス運用マネージャー
柔軟性とイノベーションによるコンプライアンス
Okta Workflowsにより、Schuberg Philis社は技術スタックを簡素化する機会を得ることができ、エンジニアは他のことに労力を集中する時間を確保することができました。そのおかげで、エンジニアは必要に迫られた課題に正面から取り組むこともできました。
同社の統合を見てみましょう。Schuberg Philis社には約20のコネクターがあり、その多くは Slack、Jira など、馴染みのあるアプリのためのものです。しかし、Okta Workflowsは、ヴァン・ウェグベルグ氏が説明するように、これらのアプリのために事前に構築されたコネクターを使用しているのではなく、高度に規制された環境内で動作できるようにカスタムのコネクターを使用しています。
「Okta Workflowsの柔軟性を際立たせている一例として、我々がSlack用にカスタムで作ったコネクタがあります。プリビルトのSlackコネクタは使えませんでした。というのも、単にチャネルにメッセージを投稿するためのものより、はるかに多くのパーミッションが必要だったからです。そこで、Webhookを使用する独自のものを構築したのですが、わずか数時間で構築できました。」とヴァン・ウェグベルグ氏は語ります。
同様にSchuberg Philis社は、Okta Workflowsのおかげで、各カスタム統合について、信頼性が高く監査可能で、可視化されたログ収集の機構を構築することができました。
「外部へのロギングとアラートは、当社の環境では必須です。当社の環境内にあるすべてのコネクターは、SplunkとOpsGenieにデータを送信します。」とヴァン・ウェグベルグ氏は語ります。ログをSplunkに自動的にルーティングするシンプルなワークフローを作成することもできますが、それではOkta環境が同僚や監査人に見えない「ブラックボックス」になるという、望ましくない副作用が生じます。
代わりに、他のカスタム統合の基となるようなテンプレートを作成し、ログ記録とエラー処理をデフォルトで構築しました。このアプローチは、すべてのワークフローで一貫性を提供し、Schuberg Philis社内のすべてのアイデンティティの自動化のガバナンスモデルへと進化しました。
柔軟性がコスト削減を促進
Schuberg Philis社は、最も複雑で規制の厳しい経済セクターで業務を行っているにもかかわらず、Okta Workflowsを活用することで、同社の俊敏性と革新性を維持しています。その結果、アイデンティティ中心の開発タスクに関連するメンテナンスコストを削減し、開発者の時間を解放し、テクノロジーインフラストラクチャのあらゆる側面についてプロアクティブな分析情報を得ることができました。
これは必然的に、コスト削減につながります。Schuberg Philis社は、Okta Workflowsによって手動プロセスを自動化しただけでも、337,619ユーロと6,502時間のエンジニアリング時間を節約できたと見積もっています。さらに、請求書発行、見積もり、会計といった時間のかかる作業をOkta Workflowsで自動化したことで、23,365ユーロが削減されました。
「Okta Workflowsとコネクターの数が増えてもこうしたメリットを確実に維持できるよう、今後は、機能に特化した専門家による小さなチームが、Okta Workflows環境を維持可能に保つことに今後注力していきます」と、ベレンデ氏は言います。
Okta Workflowsなら、コードを記述せずにアイデンティティプロセスの大規模な自動化を容易に実現できます。ライフサイクル管理、アプリケーションプロビジョニング、アカウント管理の課題解決にOkta Workflowsがどのように役立つか、その詳細については以下のリソースをご覧ください。
ビデオ:Okta Workflowsの導入- 初めてのフローを構築
ガイド: Okta Workflowsの導入
製品ページ:Okta Workflows
以上の内容は、原文(英語)の参考和訳であり、原文と内容に差異がある場合は、原文が優先されます。